やあ、ここに来たって事は見たいものがあるんだろう?
ここ? 「魔界立東高等学校資料室生徒会活動記録書」に決まってるじゃないか。もしかして知らないで入ってきたのかい?
……まぁいいや。そんなことはどうだって。
ここに来た以上、選択肢は二つ。
一つは、ここの記録を閲覧すること。
もう一つは、本を傷めないうちに速やかに立ち去ること。
……え? 僕はどうするのかって? どうもしないよ。ただ待ち続けるだけ。なぜなら、僕も記録書の一部だからね。
入ってきた存在から身を守ろうとする記録書の意思の権化、とでも言っておこうか。
そう、生きてる本もあるんだよ。びっくりした?
強い魔力にさらされたり何百年も経ったりとかいう特別な条件だけどね、本は”モノ”じゃなくなるんだよ。
さて、そろそろいいかな?
見るか帰るか、どっちにする?